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創作四字熟語 2017年の世相を反映した50編

審査員コメント

 まさに青天霹靂だった政界の動き。疲労困憊の宅配便のドライバーさん。「政変霹靂(せいへんへきれき)」「荷労困配(にろうこんぱい)」は、音の重なりを最大限に生かして、元の四字熟語の意味を効果的に響かせました。創作四字熟語の原点ともいうべきオーソドックスな作品です。「蟻来迷惑(ありきためいわく)」は、訓読みを取り入れた珍しい手法。「世代皇代(せだいこうたい)」「中央習権(ちゅうおうしゅうけん)」は、漢字一字を変えただけで、まさに今年の四字熟語に。シンプルにしてインパクトのある出来栄えです。ローマ字を活用した作品も近年増えてきましたが「J音無事(じぇいおんぶじ)」は、アラートを「音」一字で表現したところがミソですね。同じテーマで競う優秀作品が、今年は例年になく多くて、選ぶのに苦労しました。「棋聡天才(きそうてんさい)」「連聡棋録(れんそうきろく)」「桐走十内(きそうてんない)」「九九八新(きゅうきゅうはっしん)」など、それぞれに魅力のあるペアです。みなさんなら、どちらに軍配をあげるでしょうか。最後に、大いに笑わせてもらったのが「盆裸万笑(ぼんらばんしょう)」「珍文漢糞(ちんぶんかんぷん)」。意味を凝縮させる漢字ならではの力が、遺憾なく発揮されています。

俵 万智(歌人)

今年の傾向

働き方改革、“プレ金”スタート、郵便料金が23年半ぶりの改定

 消費拡大と働き方改革の推進を目指し、月末の金曜日に「勧金早退(かんこんそうたい)」するプレミアムフライデーがスタート。この機を逃すな!と飲食店などでは「金曜感謝(きんようかんしゃ)」の特別メニューを用意しました。IT技術の活用で自宅などの職場から離れた場所で仕事をする“テレワーク”を導入する企業が増え、「改革勤務(かいかくきんむ)」が進んでいます。しかし一方で、宅配業界では、ドライバー不足とネット通販の取扱量急増で「荷労困配(にろうこんぱい)」の状態に。労働環境改善のためやむなく値上げとなりました。23年半ぶりの改定となった「郵便料新(ゆうびんりょうしん)」も、52円から62円に。ハガキに「十円貼手(じゅうえんはって)」投函する人も増えたのではないでしょうか。

新・米大統領誕生、ミサイル通過、Jアラートにハラハラ

 国際情勢は、“米国第一主義”の新大統領の誕生で幕を明け、世界に「万事虎風(ばんじとらふう)」が吹き荒れました。米朝関係は緊張状態が続き、その余波からか日本上空をミサイルが通過する事態に。政府は12道県に“Jアラート”で避難を呼び掛けましたが、幸いにも「J音無事(じぇいおんぶじ)」でした。5月には、世界各国でサイバー攻撃が同時多発し「電網怪壊(でんもうかいかい)」の大騒ぎに。経済構想“一帯一路”を打ち出した中国は「中央習権(ちゅうおうしゅうけん)」を強化、スペインではカタルーニャ自治州が「西抗州独(せいこうしゅうどく)」を宣言するなど、各国で様々な動きが発生しています。
 また、米国ラスベガスでの銃乱射事件など、一般市民を無差別に攻撃する「憂銃悲弾(ゆうじゅうひだん)」も頻発した1年でした。世界が平穏な時に包まれる日を願うばかりです。

衆議院解散・総選挙で右往左往、株価上昇、新名所の誕生も

 国内では、突然の衆議院解散・総選挙で右往左往、「政変霹靂(せいへんへきれき)」となりました。小池百合子都知事が新党を立ち上げて「一気党編(いっきとうへん)」するなど、一躍「都希之人(ときのひと)」になりました。結果は与党の大勝で「自公持続(じこうじぞく)」となり、選挙結果が評価されたのか、東京株式市場の日経平均株価が史上初16営業日で「連日連騰(れんじつれんとう)」を記録しました。このまま景気回復となるのでしょうか。
 東京・銀座6丁目では新たな複合商業施設が「銀六披露(ぎんろくひろう)」され、連日の大賑わいで経済活性化に一役買っています。また、福岡県の古代遺跡「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が世界文化遺産に「遺産宗録(いさんそうろく)」され、世界に誇れる新たな新名所が誕生しました。

自然災害、続く天候不順に閉口、迷惑なヒアリ

 7月の“九州北部豪雨”では河川の氾濫、家屋の浸水など「危険水威(きけんすいい)」による甚大な被害をもたらし、10月には超大型の台風21号に続き22号と2週連続で「台風重来(たいふうちょうらい)」しました。被害を受けられた地域の1日も早い復旧を祈ります。都心では8月、連続降水記録が歴代2位の21日間を記録。「閉口雨続(へいこううぞく)」の悪天候に見舞われ、日照不足で野菜が高騰し、レジャー施設には閑古鳥が鳴くところも多くありました。
 強い毒を持つ南米原産の“ヒアリ”がコンテナなどに紛れ込んで上陸し、「火蟻猛走(ひありもうそう)」。各地で対策に追われるなど本当に「蟻来迷惑(ありきためいわく)」でした。迷惑と言えば、「煽々恐々(せんせんきょうきょう)」の“あおり運転”。痛ましい事故が発生するなど社会問題となりました。産業界では、データ不正や無資格者による検査など「管理怠制(かんりたいせい)」によるルール違反が発覚し、世界に誇る日本の“ものづくり”に陰りも。医療界でも臍帯血を国に無届けで移植した「恐行臍血(きょうこうさいけつ)」で逮捕者が出るなど、いずれも再発防止を徹底し、信頼回復に努めてもらいたいものです。

命名「香香(シャンシャン)」、サッカーW杯出場決定、新横綱誕生に喜びの声

 暗いニュースを吹き飛ばしてくれたのが、上野動物園のジャイアントパンダのシンシンです。6月に待望の赤ちゃんを出産、32万件を超える「香名盛大(こうめいせいだい)」の応募の中から「呼子香香(こししゃんしゃん)」と命名されました。もうすぐ元気な姿がお披露目されるようで注目を集めています。注目といえば、岡山県の渋川動物公園で逃走したアルダブラゾウガメの「アブー」も話題に。懸賞金も用意され「亀捜園外(きそうえんがい)」で無事に発見されました。
 サッカー日本代表は、W杯ロシア大会の最終予選で「蹴勝露杯(しゅうしょうろはい)」し見事6大会連続6度目の出場を決めました。角界では、稀勢の里関が第72代横綱に昇進。19年ぶりの日本出身横綱誕生に「綱稀祝盛(こうきしゅくせい)」と盛り上がりました。
 また、日本人の4年連続ノーベル賞受賞は逃しましたが、長崎県生まれの英国人作家カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞に輝いたことで日本中が「筆輝一雄(ひっきいちゆう)」となりました。

若い世代の活躍に期待、100m10秒の壁突破、空前の将棋ブーム

 2020年に世界の頂点を目指すスポーツ界。陸上男子100m走で、桐生祥秀選手が「九九八新(きゅうきゅうはっしん)」の走りで「桐走十内(きそうてんない)」という大記録(9秒98)を樹立。体操の世界選手権では、床運動で白井健三選手と村上茉愛選手が「金床転決(きんしょうてんけつ)」の美技で揃って金メダルを獲得。野球界では、高校最多本塁打111本をマークした清宮幸太郎選手に注目が集まり、ドラフト会議では7球団が競合の末、「七選ハ当(しちせんはっとう)」で見事北海道日本ハムファイターズが交渉権を獲得しました。
 若い世代の活躍は、スポーツ界だけではありません。中でも、最大の注目の的は「棋聡天才(きそうてんさい)」の最年少プロ棋士・藤井聡太四段です。29連勝という「連聡棋録(れんそうきろく)」を達成し、瞬く間に将棋ブームを巻き起こしました。将来の棋士を目指す子どもたちで、各地の将棋教室は盛況のようです。

“日本一楽しい漢字ドリル”大ヒット、SNSでは“インスタ映え”が人気

 今年も様々なヒット商品が誕生しましたが、中でも、小学生に大ヒットしたのが「珍文漢糞(ちんぶんかんぷん)」満載の『うんこ漢字ドリル』です。「これならやる!」と「便教熱心(べんきょうねっしん)」になった子どもたちも多かったのではないでしょうか。お笑い界で人気となったのは、「盆裸万笑(ぼんらばんしょう)」芸で“R−1ぐらんぷり”の王座を勝ち取ったアキラ100%さん。お盆を使った瞬間芸にテレビの前でヒヤヒヤの連続でした。キャリアウーマンに扮した「才職兼B(さいしょくけんびー)」のブルゾンちえみさんも大ブレーク。チャリティ番組のマラソンランナーに選ばれるなど、多才ぶりを発揮しました。
 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の話題は今年も絶えません。若者を中心に写真共有アプリ「インスタグラム」が絶大な人気となり、今や商品や食べ物、観光スポットなど“インスタ映え”が「映利多売(はえりたばい)」の必須条件となりました。動画サイトに「喜機快回(ききかいかい)」の技が投稿されて話題となった玩具・ハンドスピナーも大ヒット。ストレス解消や禁煙などにも役立つのではと言われています。「非煙楚歌(ひえんそか)」の喫煙者には嬉しい商品となるかも知れません。
 また、6月に34歳の若さで亡くなられたフリーアナウンサーの小林麻央さんの闘病生活をつづったブログも話題となりました。多くの人を勇気づけ「麻央共感(まおきょうかん)」を呼びました。心よりご冥福をお祈りいたします。


 「世代皇代(せだいこうたい)」を実現する退位法案が成立。平成も残り1年余りとなりました。元号が変わっても、平成の名に込められた“国の内外、天地とも平和が達成される”との思いは変わらずに継承されることを心から願います。そんな折、日本国中が喜びと笑顔に包まれたのが、秋篠宮家の長女・眞子さまと同級生・小室圭さんとのご婚約です。会見では「月下想人(げっかそうじん)」の微笑ましいエピソードをご披露された「圭眞誓愛(けいしんせいあい)」のお二人。末永い幸せをお祈り申し上げます。



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