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総務部総務課わんだーらんど


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   ◆◇ 総務部総務課わんだーらんど◇◆ vol.13(隔週金曜日配信) 
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   ほとんどの会社に存在する部署、総務部総務課では毎日様々な出来事
   が繰り広げられています。総務歴7年のOLが日記でこっそり教えて
   あげる摩訶不思議な総務部の世界。そこはまさに”わんだーらんど”

              ●奥様旅行説明会

今週は、就業後の時間を利用して「旅行説明会」が開催されることになっている。
そう、海外への社員旅行はもう2か月後に迫っているのだ。

AとB、2つ用意された行き先のうち、私が行くのはBコースだ。Bにした最大の
理由といえば、「会長の奥様と同じ所にだけは行きたくない」だった。ついでに言
えば、あのN君の行き先もBだしね。やっぱり私には南の島が似合うのよ、おほほ
ほほ。なんて勝手に浮かれていたのだ。

さて、Aについての説明会が終わり、あと片付けをしてから総務課に戻ると、私の
席に誰かがででーんと座っている。げげっ、会長夫人だ。そんな所で一体何をして
るのよ?

夫人「あぁ、局さん、待ってたのよ。説明を聞いてもさっぱりわかんないから、あ
   なたから詳しく聞こうと思ってさぁ。」
局 「・・はぁ。。申込書はこう書いて、パスポート番号はこれで、ここと、そこ
   と………」
夫人「で、オプショナルツアーはどうしようかしらねぇ。あなた、どれに行くの?
   私も同じ物にするわ。一緒に連れて歩いてよ。」

ほら、やっぱり。予想どおりだ。ほとんど会社に顔を出さない会長夫人にとって、
社内での顔見知りは総務課員だけなのだ。旅行先での食事やお買い物にお付き合い
させられるのは、これまでの旅行でもう懲り懲りなのさ。

あぁ私はBにしておいて本当に良かった。心の中でガッツポーズを取りながらも、
嬉しさを顔に出さないように精一杯努力する。あ、でも、頬が緩んじゃうよなぁ
(^^;)。

局 「残念ですけど、私はBに行くんです。ですから、ご一緒することはできない
   ので。」
夫人「あらまぁ。じゃあどうしようかしらねぇ。明日の説明会でもう一度考えよう
   かしら。」
局 「(え゛?それはないでしょ。焦りまくる私)でも奥様、明日はBの説明会な
   んですよ。奥様が行かれるのはAですよね。明日はもうAについての説明は
   一切無いんですよ。」
夫人「だって、Bもいい所かもしれないしねぇ。明日の説明を聞いてから、どっち
   にするか決めようかしらん。」

ちょっと待てーーーーーっ!せっかくの私の楽しみを根底から覆すような、恐ろし
い提案をするなーーーっ!

「で、でも、奥様、Bは暑くて日に焼けますし、ブランド物を売っている店もあり
ませんし、ツアーは若者向けばっかりですし、虫に刺されるし、ヤモリが出るし、
食事は日本人の口に合わないし、治安も悪いかもしれませんし、、」

彼女を思いとどまらせようと、考えつく限りの悪口を並べ立てる私。だってね、ヤ
モリよりも虫よりも、会長夫人の相手をする方が嫌なんだもん。

「そうねぇ、、、わざわざそんな所に行くこともないわね。」やったー、作戦成功
だ。

どうか彼女がこれ以上気を変えませんように。絶対にAに行ってくれますように。
明日の説明会に、会長夫人の姿が見えないことを祈るばかりの私である。

絶対来るなよ、会長夫人。席も資料も用意しておかないからね。来ないでぇ〜っ、
お願いだから(T_T)。

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作成者:総務の局(つぼね)※住友生命の職員ではありません念のため…
※なお、登場する人物及び出来事は限りなく現実に近いフィクションであり、特定
 の個人または団体を表しているものではありません。ご了承ください。

		

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