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創作四字熟語 2023年の世相を反映した50編

審査員講評

俵 万智(歌人)  情報量が多く、一目で意味が伝わるのが漢字の魅力です。四つの漢字で、まことに感じの出ている力作が今年も揃いました。バラエティに富んでいて、言葉で知的に遊ぶことの楽しさを改めて感じる選考でした。
 以下、表現の工夫で特に印象に残るものをピックアップします。米がなくては、てんてこまいの「店店枯米(てんてんこまい)」…四字熟語以外からの発想が新鮮でした。震災と浸水が襲った能登半島を捉えた「震労浸苦(しんろうしんく)」。元の四字熟語の辛労辛苦が覆いかぶさって胸が痛みます。一日も早い復興を願わずにはいられません。「虎針眈眈(こしんたんたん)」は、元の意味を生かしつつ、トランプとハリスを漢字にしたところがユニークでした。「将真賞米(しょうしんしょうべい)」は、将軍・真田広之・エミー賞・アメリカという情報量がギュッと詰まっていて、さらに正真正銘と響きあうところが巧いですね。最優秀作品の「盗打随一(とうだずいいち)」は、当代随一と、音の面では一字の違い、意味の面でもピッタリで、シンプルながら技ありです。

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