電気代が高く、猛暑なのに節電に努めた今年の夏を象徴する「電高節夏(でんこうせっか)」。卵が手に入りにくく値段も高くなったための「一家断卵(いっかだんらん)」。家庭の光景にも変化があった一年でした。「性互理解(せいごりかい)」は、元になった相互理解を響かせて味わいたいですね。マスクから開放されての「歯顔溢笑(はがんいっしょう)」があれば、イーロン・マスク氏による「鳥了X来(ちょうりょうばっこ)」もありました。Xをバツと読ませる工夫が印象的です。「戦酷胸痛(せんこくきょうつう)」は、まさに全国、いや全世界共通です。
文化・スポーツでは、藤井聡太八冠誕生、侍ジャパンWBC優勝、阪神タイガース日本一と明るい話題がありました。完全と「冠占(かんせん)」、獅子と「侍士(しし)」、それぞれ音の活用がうまいですね。「アレ」は今年の日本語で最もインパクトのある一語でした。言わないことを徹底し、目指すところを実現する。まさに貫徹です。タイパを捉えた「時短節約(じたんせつやく)」には考えさせられました。時間を大切に使うのが時間節約なら、時間をコストと捉えて、コストをかけないのが時短なのでしょう。