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創作四字熟語 2022年の世相を反映した50編

審査員コメント

 今年もコロナ禍の影は拭いきれませんでしたが「変種交代(へんしゅこうたい)」、少し明るい兆しが感じられました。それが創作四字熟語にも反映していて、ほっとさせられます。

 一時は白い目で見られた帰省も歓びの輪となり「帰省歓輪(きせいかんわ)」、インバウンドが再び日本を訪れるようになりました「遠客再来(えんきゃくさいらい)」。物価高や円安は頭が痛く「急円超下(きゅうえんちょっか)」、身近な野菜であるはずの玉ねぎが高嶺の花に見えました「 高値之玉(たかねのたま)」。

 一年を振り返る時期になると、あの猛暑も遠い出来事のよう「暑行無常(しょぎょうむじょう)」。ロシアのウクライナ侵攻は、一日も早く決着してほしいものです「烏露曲折(うろきょくせつ)」。スポーツやドラマも盛り上がりました「逆転牛勝(ぎゃくてんぎゅうしょう)」「鎌倉爆風(かまくらばくふう)」。高校野球の優勝旗が白河の関を越えたことが、個人的には印象に残っています「紅旗奥来(こうきおうらい)」。

 千客万来をはじめ、元の四字熟語を合わせて味わうと、意味が重層的に楽しめます。それが創作四字熟語の大きな魅力ですね。

俵 万智(歌人)