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創作四字熟語 2016年の世相を反映した50編

審査員コメント

 今年も、漢字の特性を生かして、一年がギュッと詰まった創作四字熟語が集まりました。「新都多難(しんとたなん)」「風震火山(ふうしんかざん)」「英欧分離(えいおうぶんり)」など、たった一字か二字変えるだけで、まさに今年を表現していて、手品のようです。「負利」でマイナス金利を、「神鯉」で神ってるカープを、「羽」でバドミントンを表現できるのは、漢字ならでは。週刊誌の記者を「刺客」と表したのも面白いですね。「銀勇四人(ぎんゆうしじん)」「四士奮銀(ししふんぎん)」は、同じテーマですが、どちらも素晴らしい出来。瞬時に銀メダルの四人の姿が浮かびます。元の四字熟語の雰囲気が生きて「銀勇四人」のほうは優雅なバトン受け渡しが、「四士奮銀」のほうは健闘ぶりが伝わります。その違いも味わってみてください。新機軸としては「GO夢中(ゴーむちゅう)」。GOというローマ字が、一目でポケモンGOを表わすところは、漢字的でもあります。元の四字熟語の音と意味が生かされているところも技アリですね。夢中になりすぎて五里霧中とは、なりませんように。

俵 万智(歌人)

今年の傾向

芸能界・政界を揺るがすスクープの嵐、前途多難の都政がスタート

 国民的アイドルグループの「五人騒散(ごにんそうさん)」や、芸能界・政界での「不倫過産(ふりんかさん)」など、週刊誌等による「刺客誌面(しかくしめん)」のスクープで幕が開けた2016年。中でも、元プロ野球選手や元俳優の「薬捨人生(やくしゃじんせい)」の逮捕劇には、多くの人が衝撃を受けたことでしょう。
 さらに、政界は政治資金の公私混同問題で大騒ぎに。そんな中、東京都では激しい三つ巴の戦いを制し、初の女性都知事が誕生します。クリーンな都政への期待を一身に背負う小池百合子知事ですが、新たな“東京の台所”は地下空洞の存在で「再考豊洲(さいこうほうしゅう)」、東京五輪の会場も「五豊霧中(ごぶむちゅう)」状態に・・・。まさに「新都多難(しんとたなん)」ではありますが、都民ファースト徹底のもと、“東京大改革”の実現を目指しています。

消費税増税再延期、“核兵器なき世界”への誓い、国内外でのトップ交代

 自然に親しむ祝日として新たに「山娯休暇(さんごきゅうか)」が加わりましたが、日本列島は今年も自然災害の「風震火山(ふうしんかざん)」に見舞われました。熊本地震や鳥取県中部地震、夏の大型台風や桜島・阿蘇山での大規模噴火は、各地に大きな被害を与えています。
 年明け早々、日銀は初の「金利零下(きんりれいか)」政策で「利息負利(りそくふり)」を実行。異次元金融緩和の効果に注目が集まるものの、熊本地震の影響や伊勢志摩での「賢島七談(けんとうしちだん)」の議論を踏まえ、2年半の「消遅増税(しょうちぞうぜい)」が決定しました。社会保障制度充実への道のりは、さらに険しくなりそうです。
 一方、伊勢志摩サミット終了後の被爆地・広島では、バラク・オバマ米大統領が現職大統領として初めて平和記念公園を訪問するという、歴史的な一日を迎えました。寄贈された「紙鶴献悼(しかくけんとう)」からは、“核兵器なき世界”への強い想いが伝わってくるようです。
 アメリカでは新大統領の座をめぐって「虎栗参戦(とらくりさんせん)」の一騎打ち。激戦の末、ドナルド・トランプ氏が勝利しますが、これまでの安全保障や外交問題に対する過激な発言に、不安と期待が交錯します。世界は、そして日本はどのように変わっていくのでしょうか。
 その他の国でも、劇的なトップの辞任劇が報じられました。タックスヘイブンの利用が「税文公開(ぜいぶんこうかい)」されたアイスランド首相や、国民投票による「英欧分離(えいおうぶんり)」の結果を受けて英首相が辞任し、さらに、韓国大統領も親友の国政介入事件が「韓朴政乱(かんぱくせいらん)」を引き起こし、進退問題に発展しました。
 国内の交代劇といえば、人気演芸番組の『笑点』でしょう!若き6代目の司会者に就任した「昇進昇太(しょうしんしょうたい)」さんは、ベテランメンバーの対応に四苦八苦のようですが、新しい笑いでお茶の間を沸かせています。

日本生まれの新元素、オートファジー解明にノーベル賞授与

 アジア初の命名権を獲得した113番元素の名称は、日本への感謝の想いが込められた「ニホニウム」に決定。これにより、世界中の教科書の元素周期表に、「日宝新夢(にほにゅうむ)」が加わることになりました。
 今年もスウェーデンから朗報が届きました!細胞の「医賞自食(いしょうじしょく)」の仕組みを解明した大隅良典氏が、ノーベル生理学・医学賞を受賞。世界中で、活発な治療への応用研究が進められています。
 また、ノーベル文学賞には、ミュージシャンとして初めてボブ・ディラン氏が「文歌勲章(ぶんかくんしょう)」を受賞しました。受賞発表後の2週間の沈黙にはハラハラさせられましたね。

空前のネコブーム、アニメがもたらす経済効果、新幹線が列島縦断

 テレビに本にアプリにグッズ・・・、どこもかしこもネコだらけの「猫狂時代(ねこきょうじだい)」到来です。“ネコノミクス”による経済効果は、“ニャン”と年間2兆3千億円にも上るとか。一方、井の頭自然文化園では、国内最高齢のゾウのはな子が「哀多象逝(あいたぞうせい)」し、多くのファンが別れを惜しみました。
 経済効果は新たな観光スポットでも。大ヒット映画「君名客興(くんめいかっきょう)」の舞台となった岐阜県飛騨市では、聖地巡礼に訪れるファンが後を絶ちません。また、3月には「北歓喜線(きたかんきせん)」が開業し、函館は「函館客沸(かんかんきゃくわく)」の大賑わいに。そういえば、4月にスタートした「取社電択(しゅしゃでんたく)」で、100万ドルの夜景にも電力事情の変化はあったのでしょうか。
 今年も多くの外国人観光客が訪れ、10月には2千万人の大台を突破しました。政府は、東京五輪を開催する2020年の訪日外国人旅行者数の目標値を4千万人としていますが、「民泊需増(みんぱくじゅぞう)」の対応や、都市の脆弱性が浮き彫りになった「都心電切(としんでんせつ)」の対策など、受け入れ環境の整備が急務になりそうです。

世界を席巻する『PPAP』、「ポケモンGO」が社会現象に

 今年も新たなスターやヒット商品が誕生しました。
 パンチパーマのおじさんがステップを踏みながら歌う、「筆果豹踊(ひっかひょうよう)」の動画が世界を駆け巡りました。成功の要因は、思わず真似したくなるキャッチーなメロディーと振り付けだとか・・・。しかし、この現象に最も驚いているのは、ピコ太郎さんご本人かもしれません。
 ヘアスタイルのネタでブレイクしたのが、お笑いコンビの「二騎禿戦(にきとうせん)」です。特に“斎藤さん”は、個性的なビジュアルとキャラクターが女子高生に大人気で、“モテる男”としても話題になりました。
 競馬界では16年ぶりに女性ジョッキーがデビュー。力強い「騎媛馬乗(きえんばじょう)」で初勝利を挙げ、チャーミングな笑顔で“菜七子フィーバー”を巻き起こしています。
 スマートフォンを通して見れば、街はモンスターだらけなのでしょうか?世界中の大人や子どもがスマホ向けゲームに「GO夢中(ゴーむちゅう)」となり、「街獣一色(がいじゅういっしょく)」の社会現象が起こりました。
 愛煙家にヒットしたのが、火を使わないタバコの「愛煙消煙(あいえんきえん)」です。「煙を気にせず楽しめる」と好評で、加熱式タバコの人気の火付け役となりました。

“神ってる”VS“二刀流”が激突、リオの熱い風に感動

 球界では、“神ってる”広島東洋カープが「神鯉万勝(しんりばんしょう)」し、25年ぶりにセ・リーグで「鯉昇天結(りしょうてんけつ)」を実現。対する北海道日本ハムファイターズは、MVPを獲得した若き「投打無双(とうだむそう)」がチームを「日本覇夢(にっぽんはむ)」に導きました。一方、米大リーグでは、イチロー選手が通算「燦然安打(さんぜんあんだ)」を達成し、世界中から祝福を受けています。
 今年最大の感動・興奮は何と言ってもリオ五輪です!開催前は「蚊熱感染(かねつかんせん)」の拡大等、不安もありましたが、日本人選手の活躍は素晴らしかったです!体操の男子団体総合は「体団成就(たいだんじょうじゅ)」で3大会ぶりの金メダル、競泳男子800mリレーは52年ぶりの「驚銅競泳(きょうどうきょうえい)」、侍ポーズを決めた陸上男子400mリレーでは「四士奮銀(ししふんぎん)」が銀メダルを獲得し、「銀勇四人(ぎんゆうしじん)」の高速バトンパスが世界中から絶賛されました。女性アスリートたちも負けてはいません。バドミントンの“タカマツ”ペアは5連続ポイントの大逆転劇で日本初の「羽願優勝(はがんゆうしょう)」、レスリングの伊調馨選手は五輪史上初の女子個人種目で「四金之栄(しきんのえい)」を成し遂げ、国民栄誉賞に輝きました。


 日本史上最多となる41個のメダルを獲得した「リオ燦然(リオさんぜん)」の閉会式。五輪旗が東京都に引き継がれ、渋谷駅前のスクランブル交差点からワープしてきた「安倍驚管(あべきょうかん)」は、存分に東京五輪をアピールしました。4年後に向けたアスリートたちの戦いは既に始まっています。すべての選手が全身全霊で競技に打ち込み、世界中が感動を共有できる舞台を目指して―――。わたしたちも来るべき東京五輪を盛り上げていきましょう!


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